暑い夏 熱中症が心配
暑くなると心配なのは、熱中症。
2013年に熱中症で救急搬送されたは58,729人。
そして、その中でも近年増加傾向にあるのが室内熱中症です。
その割合は全体の約40%を締め、室内は熱中症になる危険性が最も高い場所といえます。
「電気代が気になる……」と節約を考えたり、東日本大震災以来、節電への意識も高まっているため、クーラーを付けるのを我慢してしまいがちですが、過度な我慢や「室内にいれば大丈夫だろう」という油断が大変な事態を巻き起こしてしまう可能性もあります。
今回はクーラーを使わずに、節電対策をしながら、室内熱中症を防ぐ方法を紹介します。
しっかり室内熱中症対策をして、楽しい夏を過ごしましょう。
熱中症にならないためには?
熱中症は、炎天下や高温の場所に長い時間滞在することで、体内の水分や塩分が失われ体温調節ができなくなった状態になることで、体温上昇、めまい、吐き気などを発症します。
本格的な夏が間近に迫っていますが、熱中症にならないためには、きちんと予防対策をしておくことが必要です。
熱中症になりやすい時期
気温の高い暑い日に熱中症になりやすいイメージがあると思いますが、実は、蒸し暑さが続く梅雨の時期も熱中症になりやすいのです。
梅雨明け直後は、身体が暑さに慣れていないことから、気温が高くなくても熱中症になることがあり、また、空気中の湿度が高く、汗をうまくかくことができないため身体に熱がこもってしまいます。
人は、汗をかくことで体内から熱を逃がし体温を調整しているので、汗をうまくかけないと熱中症になってしまう可能性があるのです。
室内で熱中症のリスクが高い場所
室内熱中症のリスクが高い場所としては、直射日光が当たるリビングや、熱気と湿気がこもるバスルームやキッチン、洗面所などが挙げられます。
こまめに換気などをして、室内の温度が上がらないようにすることがポイントです。
クーラーを使わず、室内熱中症を防ぐには?
35度を超える炎天下の日も多い夏。ついクーラーを使ってしまいがちですが、電気代が心配になりますよね。
室内熱中症にはなりたくないけど、電気代は節約したいという方のために、クーラーを使わなくても、室内熱中症を防ぐ方法をご紹介します。
扇風機を使う
エアコンの代わりに扇風機を利用すると、1カ月あたりの電気代が2,758.3円節約ができ、とても経済的です。
最近は羽がないものや、7枚羽のものなど、ニーズに合わせて選べるうえ、動きも静かです。
できる限り扇風機を使って、夏の電気代を節約しましょう。
エアコンと扇風機の電気代比較
期間 | エアコン(400wの場合) | 扇風機(35wの場合) |
---|---|---|
1時間当たり | 10.1円 | 0.9円 |
1日(10時間)使用 | 100.8円 | 8.8円 |
1カ月 | 3,022.8円 | 264.5円 |
団扇や扇子を使う
日本の夏の風物詩としてお馴染みの団扇や扇子を使えば、簡単に風を起こすことができ涼むことができます。
最近では、水をつけ凍らせて使うステンレス製の高機能うちわもあり、猛暑も乗り切れる仕様になっています。
打ち水をする
朝や夕方などの涼しい時間に家の外やベランダに打ち水をすると、水の蒸発が空気中の熱を奪い、気温を下げる効果があります。お風呂の残り湯を使うと、水道代も節約できます。
凍らせたペットボトルを使う
睡眠時に水の入ったペットボトルを凍らせ、枕もとに置いておくと、クーラーを使わなくてもぐっすりと眠ることができます。電気代も節約できるうえ、クーラーの消し忘れで風邪をひくこともありません。
保冷剤を使う
食品を買った時についてくる保冷剤をタオルやハンカチでくるんで首や脇の下を冷やすと、ひんやり心地よいだけでなく、体温が必要以上に上がるのを防ぐことができます。
突発的に発熱した際にも使えるので、普段から数個冷やしておくと便利です。
足を冷水につける
お風呂上がりに足を冷水につけると、汗から塩分が排出されるのを減らすだけでなく、体温を無理なく下げることができるので、熱中症予防につながります。
遮光カーテンを付ける
遮光カーテンは、夏の強い日差しを遮る効果があるので、室内の気温の上昇を防ぐことができます。3,000円程度の価格帯でも、おしゃれな柄のカーテンが多数販売されているので、部屋のコーディネートを崩さずに熱中症対策をすることができます。
緑のカーテンを作る
つる性の植物をベランダに植えると、木陰を作るだけでなく、植物の葉から蒸散される水分によって気温を下げる効果があります。夏の代名詞であるアサガオはもちろん、ゴーヤやキュウリやミニメロンなどを植えると、夏には収穫することもできるので、植物を育てながら、楽しく熱中症予防ができるので一石二鳥です。
「すだれ」や「よしず」やを使う
竹や葦で作られた、日本伝統の日除け「すだれ」や「よしず」を使うと、室内の温度を下げることができます。
窓の外に設置する「よしず」は、太陽光を約80%遮断することができるだけでなく、適度に水をかけることで気化熱により、2~3℃も温度を下げる効果があります。
一方、室内に設置する「すだれ」は、カーテンよりも空気が通りやすい構造のため、室内の熱を外に逃がすことができます。
熱中症にならない身体作り
熱中症にならないための環境作りを紹介してきましたが、本格的な夏が来る前に、熱中症にならないための身体を作っておくとより安心です。今のうちから習慣づけて、熱中症を予防しましょう。
こまめに水分を取る
熱中症対策に、こまめな水分補給をは欠かせません。
飲みやすさや身体への吸収をより早めるために、冷えた水ではなく、常温の水を摂取するようにしましょう。
ただ、大量の水を摂取しすぎてしまうと「水中毒」という、血中のナトリウム濃度が低下してしまうことで、中毒症状を引き起こす可能性もありますので、塩分も一緒に摂るように心がけましょう。
夏野菜を食べる
トマト、キュウリ、スイカ、トウモロコシなどの夏野菜を食べると、体温を下げる効果があると言われています。トマトなどの夏野菜に多く含まれているカリウムには利尿作用があり、熱を体外に排出してくれる効果があります。
ただ、熱を加えると、カリウムの約30%程度が失われてしまうと言われていますので、サラダなど生のまま食べる料理が適しています。
南国フルーツを食べる
バナナ、パイナップル、パパイヤといったような南国産のフルーツも、体の熱を下げる効果があり熱中症予防になると言われています。
また、食物繊維やビタミンもが多く含まれているので、疲労解消や夏バテ防止にもつながります。
熱中症予防に役立つ暑さ指数(WBGT)とは?
熱中症予防を目的として、暑さ指数(WBGT)というものがアメリカで設定されました。
これは人体と外気との熱のやりとりに着目した指標で、人体に与える影響が大きい「湿度」「日射」など周辺の熱環境に、「気温」の3つを取り入れ、数値化しています。
この暑さ指数をもとに、猛暑日の日常生活の過ごし方の指針が作られていますので、ご紹介します。
高温の日が続く夏でも、できる限り涼しい場所を作るように努力しましょう。
日常生活に関する指針
温度基準 (WBGT) |
【熱中症への注意事項】 |
---|---|
危険 (31℃以上) |
高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。 |
厳重警戒 (28~31℃) |
外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。 |
警戒 (25~28℃) |
運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。 |
注意 (25℃未満) |
一般に危険性は少ないが、激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。 |
(引用:熱中症予防情報サイト)
暑さ指数(WBGT)が、28℃を超えると熱中症患者が著しく増加する傾向にあります。
終わりに
まもなく本格的な夏がやってきます。
楽しいイベントがたくさんある季節ですが、一方で思わぬトラブルに巻き込まれることも多くあります。
室内熱中症もそのひとつ。
「節電しないと……」という気持ちも分かりますが、室内熱中症対策も忘れずに心がけ、元気に楽しい夏を満喫しましょう!